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その3 黒い浜(前)

黄緑色の実をつけたアダンの木が茂る中を、潮風が吹いてくる方角に向かって歩いていく。目の前に広がる遠浅の海の遙か沖で、クリフにぶつかったうねりが白い波頭を揚げている。そこから珊瑚礁を隔てて筆者の立つ白い砂浜には、穏やかな波が薄紗(はくしゃ)の縮れたようなしわ皺(しわ)を寄せている。空と海との境界は朧気(おぼろげ)な霞のうちに溶け込んで絵画的にぼかされ、見る者に、遠い遠い海の彼方のニライカナイを連想させる。
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