自陣ゴール前、敵ボールのスクラム。ボールが入った瞬間、かつての重戦車FWがジリジリと押されます。スタンドからは半ばあきらめのため息。1試合で2度のスクラムトライを奪われて、メイジは屈辱の40点差で敗戦を喫しました。
高校日本代表クラスの選手を集めてこんなに勝てないのは、プロ野球の某球団を思い出させます。聞けば、大学も看板であるラグビー部の強化には力を入れています。それでも、ここ数年の低迷から復活する兆しは一向になし。ライバルのワセダにみるみる差をつけられるのは、ファンとしてもOBとしても歯痒い限りです。
昔、メイジには北島忠治という監督がいました。「前へ」という名言で、60年以上重戦車を率いたカリスマ。その北島翁が亡くなって10年以上が経ちました。「オレの目の黒いうちに対戦成績を五分に戻せ」と言った早明戦の星の差は、ますます開くばかりです。
師走第1週の日曜日、それでも早明戦はやってきます。今年81回目を迎える伝統の一戦。その日の国立競技場には魔物が棲むと言われて、何度も奇跡が起こった試合。王者ワセダに勝つのは難しくとも、せめて重戦車の意地を見たいものです。
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