東南アジアの小さな山岳国ラオスの山道を行くローカルバス。
バスとは思えない厳つい外観で、山谷を縫う険しい道路を駆け抜ける。
アジア特有の、生命力あふれる乗り物。
24歳の春、まだガイドブックもなかった頃にこの国を歩いた記憶は鮮烈だった。メコン河のほとりの町で、国境を抜けてきた旅人から情報をあつめて入国。手つかずの自然とそこに住む人々の素朴な面影は、昔の日本を思わせる。
このバスに乗ったのは、古都ルアンパバーンから現在の首都ヴィエンチャンまでの道のり。曲がりくねった悪路を、身動きのとれない監獄のような車内でひたすら耐えること10時間。右に左に大きく揺れる車内で、出発直後から吐き気が止まらない。長時間の移動には慣れたバックパッカーも音を上げる、過酷なバス移動。
正月3日、Uターンラッシュを避けて、山形から鈍行列車に乗る。暖房の効いた快適な車内で、魔の峠を越えたあの日の旅を懐かしむ。
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