カラフルなショールに山高帽、三つ編みの髪という伝統の出で立ちで、高原の町を闊歩するチョリータ。もっとも南米らしいと言われるその姿を街角に見て、静かにシャッターを切る。

世界最高所にある町ポトシでは、今も先住民女性チョリータの姿を多く見かける。スペイン統治の時代から、過酷な暮らしを強いられたインディへナ。ボリビアは、南米12カ国の中でも先住民の割合が最も高い国だ。
富の山
“セロ・リコ”で夢を喰らい続けたスペイン人は去り、銀鉱脈尽きた今、ポトシはアンデス高原にひっそりとたたずんでいる。バロック様式の教会や聖堂、コロニアルな建物には、植民地時代の面影が色濃く漂う。
静かな石畳の往来を歩く午後、前を行くチョリータの小さな背中に、先住民が忍んできた哀しい歴史を見る。
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