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無礼講というけれど

 忘年会の季節がやってきた。サラリーマンにとっては、毎年恒例のイベントである。
 今年も大詰め、一年のうちにあった、あんなこともこんなことも、大いに飲んで忘れよう。構わない今日は無礼講だと、いつもは怖いあの人も、無口で知られたこの人も、この時ばかりは一同席を共にする。
 この無礼講が、果たしてくせものである。この言葉を真に受けて腹蔵なくしゃべったところ、翌朝まわりの視線がいつもと違っている。しまった無礼講はタテマエだったかと、気がついても手遅れである。何でも忘れてくれるはずだったのに、同席したものは前夜の一部始終を覚えている。これから先も、しばらく忘れることはなさそうである。
 さらに、くせものの本領はここからである。何でも話せと言われて、ほんとに話せば馬鹿を見るからと全て無難な話題で切り抜けようとしても、やっぱり馬鹿を見るのである。ホンネもだめ、タテマエもだめだとすると、一体どうすればいいのだろう。

 ここが、サラリーマンの腕の見せどころである。けっしてタテマエではない、しかしよく聞くと当人のホンネでもない、いかにもホンネらしきことを語って絶対に怪しまれないものが、稀にいるのである。それはほとんど神技のようで、誰でもまねができることではない。

 政治家が生きているのは魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界だというけれど、なにサラリーマンの世界だって似たようなものである。できるサラリーマンになりたいなら、その技を身につけるべし。
 けれど、その腕前がまだまだ拙い僕は、生涯よき旅人であることことの方が、より大事だと思っている。ろくに話したことのない人が、不肖僕のことを「彼は少し変わっている」と言うのは、そのためだと思われる。
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