5.アラビアの古代都市
2006.03.05 Sunday
貧乏旅行にトラブルはつきものとはいえ、道半ばにしてバスのタイヤがパンクして、乗客もろとも退去を命じだれたのは、僕もはじめての経験だった。通りかかったセルビス(乗合タクシー)にヒッチハイク同然で飛び乗ったのは上首尾だったが、言葉の通じない運転手に行き先を教えるのに苦心惨憺。バスターミナルに無事到着した時には、自らの幸運を思わずにはいられなかった。
トラブルに見舞われながらも降り立った町アレッポは、4000年の昔から栄える古代都市である。太古の昔よりギリシア人、ローマ人、ペルシア人、ビザンチン軍、十字軍、モンゴル人、さらにはトルコ人と、目まぐるしい歴史の波にさらされ続け、現在はユネスコの世界遺産に登録される文化の町だ。
適当な安宿に投宿すると、僕はさっそくアレッポの往来へと繰り出した。日干しレンガと石造りの建物が建ち並ぶアレッポの街は、紛れもないアラブ世界で、電柱に仕つけられたスピーカーから流れるアザーンが、異国情緒をかもしている。頭上には、いつまでも雨など降らすものかという青い空。往来は、ドス黒い排気ガスを吐き出しながら進む自動車でゴタ混ぜの姿だ。
僕の安宿から南へ500mほどのところに広がるのが、アレッポ名物のスーク(市場)である。このスークは世界でも有数で、「アレッポのスークで見つからないものはない」とシリア人は言っている。微妙な匂いが混然一体となって旅人を迎え、巨大な迷路の中へと誘い込む。そこでは、客と商人による喧騒が休むことなく続けられる。
僕は、雑然たる往来とスークの喧騒のうちに、厳然たるアラブ世界を見た。今、僕の目の前に繰り広げられる光景を見ぬうちは、真正のアラブを知ることはできない。
適当な安宿に投宿すると、僕はさっそくアレッポの往来へと繰り出した。日干しレンガと石造りの建物が建ち並ぶアレッポの街は、紛れもないアラブ世界で、電柱に仕つけられたスピーカーから流れるアザーンが、異国情緒をかもしている。頭上には、いつまでも雨など降らすものかという青い空。往来は、ドス黒い排気ガスを吐き出しながら進む自動車でゴタ混ぜの姿だ。
僕の安宿から南へ500mほどのところに広がるのが、アレッポ名物のスーク(市場)である。このスークは世界でも有数で、「アレッポのスークで見つからないものはない」とシリア人は言っている。微妙な匂いが混然一体となって旅人を迎え、巨大な迷路の中へと誘い込む。そこでは、客と商人による喧騒が休むことなく続けられる。
僕は、雑然たる往来とスークの喧騒のうちに、厳然たるアラブ世界を見た。今、僕の目の前に繰り広げられる光景を見ぬうちは、真正のアラブを知ることはできない。
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