白洲次郎という男がいた
2006.05.26 Friday
「漱石の坊ちゃん」のような奴」
作家の今日出海がそう評した白洲次郎は、僕らの世代にはあまり馴染みのない人物。エッセイスト白洲正子の夫と言えば少し通りがいいけれど、初めて聞いた名だという人の方が多いでしょう。日本で初めてジーンズを履いた洒落者ですが、彼が遺した功績は今の日本に大きな影響を与えています。
作家の今日出海がそう評した白洲次郎は、僕らの世代にはあまり馴染みのない人物。エッセイスト白洲正子の夫と言えば少し通りがいいけれど、初めて聞いた名だという人の方が多いでしょう。日本で初めてジーンズを履いた洒落者ですが、彼が遺した功績は今の日本に大きな影響を与えています。
白洲次郎の名を今ほとんど知る人がないのは、彼がもっぱら吉田茂首相の腹心として活躍した影の人物だからです。日本を占領したGHQを相手に交渉役になり、一歩も引かずに立ち向かった男。筋が通らなければ、絶対権力者のマッカーサーをも怒鳴りつけた男。アメリカ人に「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた男。
『白洲次郎 占領を背負った男』(北康利著 講談社)は、彼の人物像を話題豊かに描いています。
日本の自由と誇りを守るために戦った白洲次郎は、実に格好いい人物です。彼がもっとも大切にしたのは紳士の哲学「プリンシプル」で、これに反することは何事も許さなかった姿は、まるで侍のよう。「プリンシプルを持って生きること」を信念として、「プリンシプルのない戦後の日本」を憂えながら、彼は生涯を送ります。
敗戦後の日本にこんなすごい男がいたのかと僕が驚くのは、戦争に負けた日本は、抵抗もできずにGHQに従っていたと思っていたからです。そして、気骨あふれる白洲次郎の格好良さに、感激したからです。
『白洲次郎 占領を背負った男』(北康利著 講談社)は、彼の人物像を話題豊かに描いています。
日本の自由と誇りを守るために戦った白洲次郎は、実に格好いい人物です。彼がもっとも大切にしたのは紳士の哲学「プリンシプル」で、これに反することは何事も許さなかった姿は、まるで侍のよう。「プリンシプルを持って生きること」を信念として、「プリンシプルのない戦後の日本」を憂えながら、彼は生涯を送ります。
敗戦後の日本にこんなすごい男がいたのかと僕が驚くのは、戦争に負けた日本は、抵抗もできずにGHQに従っていたと思っていたからです。そして、気骨あふれる白洲次郎の格好良さに、感激したからです。
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