新しい流儀
2004.11.08 Monday
プロ野球界初の椿事である選手のストライキまで引き起こした、一連のプロ野球新規参入問題。決着した夜のニュース番組で、某コメンテーターが「旧勢力の流儀に合わせて経営権獲得を目指したY社が、あくまでも新しい流儀を押し通したL社に勝った」と分析していました。いずれも新勢力を代表する両社の雌雄を分けたのは、経営力ではない流儀の違いにあったとは、何とも皮肉なものです。
ここ何十年来、日本では、旧習を廃して、新奇なものなら何でも礼賛する風潮にあったことは、皆さんご承知のとおりです。だから今回も、何処へでもTシャツで現れて、あえて不遜な物言いをする若社長の言動を、新しい新しいと支持する向きが多かったとしても、特に不思議はありません。現に、先に手を挙げた若社長に球団を任せてみたい、という街頭の声が、連日テレビで放映されていたものです。
しかし、新しいものといいもの、儲かることといいこととは、本当は別物だと信じる僕は、若社長の新しい流儀をけげんに思っています。その新しい流儀の甲斐もなく、結局落選した若社長は、当夜のニュース番組で「次に挑戦する時の作戦なら、さっきタクシーの中で考えてしまった」と、飄々たる顔をしてみせましたが、なに作戦などは考えていないだろうと、僕は疑っています。新しもの好きの彼のことだから、きっとまた新奇ぶって、今度はJリーグにでも参入してやろうという腹積もりに違いありません。
近頃僕が贔屓の山本夏彦翁は、40年近く前のコラムでこう言ったものです。
「50年もたってみてごらん。いきりたって言わなくても、現在流布している本たちは、一冊も、どこにも、なくなっているだろう。」
50年とは言いませんが、若社長とその会社が、20年経ってなお健在ならば、僕は初めて、その名と実を認めたいと思っています。
しかし、新しいものといいもの、儲かることといいこととは、本当は別物だと信じる僕は、若社長の新しい流儀をけげんに思っています。その新しい流儀の甲斐もなく、結局落選した若社長は、当夜のニュース番組で「次に挑戦する時の作戦なら、さっきタクシーの中で考えてしまった」と、飄々たる顔をしてみせましたが、なに作戦などは考えていないだろうと、僕は疑っています。新しもの好きの彼のことだから、きっとまた新奇ぶって、今度はJリーグにでも参入してやろうという腹積もりに違いありません。
近頃僕が贔屓の山本夏彦翁は、40年近く前のコラムでこう言ったものです。
「50年もたってみてごらん。いきりたって言わなくても、現在流布している本たちは、一冊も、どこにも、なくなっているだろう。」
50年とは言いませんが、若社長とその会社が、20年経ってなお健在ならば、僕は初めて、その名と実を認めたいと思っています。
Comments