オールドマーケットのほど近くにある安宿のレストラン。飛びこみで部屋を確保して、いよいよアンコール遺跡に出かけようと珈琲を飲んでいたときだ。
「俺を雇わないか?」
と、彼は突然声をかけてきた。
アンコール遺跡はシェムリアップ近郊の広い地域に点在しているため、見学には“足”が必要不可欠。けれど、シェムリアップのトゥクトゥクドライバーは暴虐無人で知られている。観光客がうなぎ上りの昨今では、ぼったくり、乱暴運転の被害が後を絶たないという。
それだけに、ドライバー選びと値段交渉は慎重に。
滞在2日半、サンライズ見学と愛嬌のある笑顔がついて30ドルなら、あまり高い方ではないだろう。
めでたく交渉成立。彼の愛車の座席に揺られて、アンコール遺跡を巡る。

Comments
値段は多少高くても日本に帰ればすぐ忘れるけどドライバーとしゃべったことなんかは忘れませんよね。
双方気持ちよく旅が出来ると最高ですから。
決めては笑顔!HARUさんらしくていいな~!
そうそう。喧嘩半分で値切っても、そのあと不快な思いをしたら意味がない。短期の旅なら、お互い納得して交渉成立、というのが理想ですよね。ボラれないためには、ある程度嗅覚が必要かもしれませんが(笑)。
行動を共にしたガイドとの交流には、僕も忘れられない思い出がたくさんあります。
出会いによって、旅は大きく変わりますよね。出会いを素晴らしいものにするためには、双方気持ちよく、というのが一番だと思います。
>決めては笑顔!HARUさんらしくていいな~!
yamaさんも、笑顔に囲まれた旅をしている印象が強いですよ(笑)。
ステキな笑顔・・・そして、とってもお得な彼とのツアー。
30ドルならすごくお得だと感じますが・・・相場はいくらくらいなんでしょ?
旅は受け取るものが多いですね。出会いもその一つ。私は言葉が堪能じゃないけれど・・・それでもつたない英語でコミュニケーションを交わせた人々との出会いはやっぱりすごく印象に残ります。
そうだねぇ。ガイドブックに書いている金額からすると、だいたいこれくらいの値段のようです。最初はもっとふっかけてきたんだけど、そこはお約束で、条件をいろいろ出していって相場通りの値段になりました。
一度値段を決めて頼むことにしたら、お金のことは抜きにして、その人と楽しくつきあうこと。それが旅を楽しいものにする秘訣だよね。お互いに気持ちがいいし、思いかけない親切をもらえることもあるし。
つたない会話でも、楽しい旅は十分できる。でも睦月さん、英語勉強して、けっこう話せるようになったんじゃないの?